酒蔵取材レポートvol-3-②:青木酒造 青木酒造の新しい試み。「二才の醸」の取り組みについて①

青木酒造について(https://aokishuzou.co.jp/)
青木酒造は天保2年(1831年)創業の、茨城県古河唯一の造り酒屋です。青木酒造のお酒と言えば「御慶事(ごけいじ)」。「最高のよろこびごと」を意味するこのお酒は、山田錦や雄町といった全 国的に有名な酒米を原料とするものだけでなく、茨城県の酒米、ブランド米や県産の酵母も使用して醸造されます。これらのお酒は高い評価を受けており、茨城の地酒としての顔を持つことでも知られています。 これからの日本酒の可能性や青木酒造の酒造りについて、7代目蔵元青木滋延氏と、専務取締役の青木知佐氏にお話を伺いました。
昨年から青木酒造が引き継いでいる「二才の醸」も、次代蔵元である青木知佐さんにとって日本酒の可能性を感じた経験の一つだったそうです。

出典:SHUGO-sake.media
二才の醸は、銘柄を酒蔵間でリレーしていく、新しい取り組みです。2014年に石井酒造様で始まった取り組みで、当時まだ20代だった石井社長が、20代だけで醸す酒を造るというコンセプトを基にプロジェクトが始動しました。石井酒造様、宝山酒造様とバトンが渡され、当蔵で三代目です。
石井酒造様には蔵元と杜氏、それを引継いだ宝山酒造様には杜氏兼蔵元と営業責任者など、それぞれの蔵に20代で酒造りに取り組むコアメンバーがいましたが、当蔵には私以外にコアメンバーとなり得るメンバーがいませんでした。そこで当蔵のお米を作ってくださっている地元の契約農家様とご相談し、大学で農業を学ぶ学生をご紹介いただきました。その中から、日本酒造りのプロセスに興味を持ってくれた学生と一緒に取り組みを始める事にしました。
コアメンバーとして取り組んでくれた4名とは、みっちり一緒に日本酒造りをしました。仕込みからビン詰め、ラベル張りまでコアメンバー4名と、都度Facebookを通して応募したサポートメンバーと一緒に作ったのが当蔵の二才の醸です。別に日本酒好きが理由でプロジェクトに参加してくれているわけではないので、飲みやすい、飲みずらい、香りが良い、悪いなど、日本酒造りに取り組む人間にとっては当たり前と思いこんでいる事について感じ方の違いが見えたりして、新鮮な学びがありました。

出典:SHUGO-sake.media
例えばこのラベルも、日本酒には珍しいポップなデザインですが、参加してくれたメンバーみんなで一色ずつ色を出し合いコラージュして作りました。イベントの運営を学生に協力してもらったり当日のお酒の提供方法もそのまま飲むだけでなく、ミントとソーダでモヒート仕立てにして新しい飲み方を提案したり。20代で作り上げた充実した取り組みでしたが、お酒造りのプロとして自分がリードしなきゃいけない事が多くて、お披露目会を終えるまでは正直うまくいくか気が気ではなかったです(笑)。今年も二才の醸の田植えを終えてひとまずほっとしているところです。秋以降は忙しくなりますが、今年はどんなお酒になるかを考えると、また大変な思いをするとは思いますが、同時にとても楽しみな取り組みでもあります。
編集部のお勧め-「三代目 二才の醸」-
田植えから稲刈り、仕込み、ラベルの企画から瓶詰めまですべて20代で作り上げたお酒です。このお酒を楽しむ時には、青木酒造のSNS投稿をご覧いただく事をお勧めします。イマドキの20代が日本酒について考えて、お米を作ってお酒になるまでの体験をたどることが出来ます。20代の自己表現がギュッと詰まった、いいお酒です。今回は2019年ビンテージをご紹介しましたが、2020年ビンテージも近日発売予定との事(2020年1月時点)。
(https://aokishuzou.co.jp/products-cat/nisainokamosi/)
【参考】
日本酒の楽しみ方が広がる!マイナス5℃管理が出来る、日本酒好き待望の日本酒セラーはこちらから。
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