飛良泉の新たな取り組み~飛良泉の限定酒をご紹介~

飛良泉の新たなチャレンジ:3種のご紹介
飛良泉の次代蔵元である、齋藤雅昭専務が本コラボ企画で醸造するお酒をご紹介いたします。齋藤専務は大学卒業後、都内の広告関連企業でキャリアをスタートし、30歳で蔵に戻り次代蔵元となりました。ファーストキャリアが異業種であることもあり、日本酒に対して消費者として向き合ってきた経験や感性を活かし、消費者のニーズや消費シーンをイメージしながら新たな酒造りをしていく、「マーケットイン」のアプローチが出来る蔵元です。
齋藤専務が今回試作するのは3種類。飛良泉の特徴や秋田という土地柄を活かしたこれらのお酒について、齋藤専務にお話をお伺いしました。
スパークリング酒への取組み:
近年、多くの蔵が挑戦しているこのスパークリング日本酒を、飛良泉でも是非チャレンジしたいと考えています。炭酸を充填する方法ではなく、酵母の力のみで、発酵時の発泡を利用したスパークリングに挑戦します。このお酒のベースは、山廃づくり、そしてリンゴ酸が鮮やかな酵母「きょうかいNO.77」を使用します。日本酒のイメージとはかけ離れたフレッシュな酸味と発泡が融合した斬新なテイストのお酒を目指します。
味わいの狙いとして、甘酸っぱさと炭酸が楽しいスパークリングにしようと考えています。イメージは果実味のある甘いスパークリングワインです。アルコール度数も従来の日本酒の度数から下げて、飲みやすく仕上げます。

出典:株式会社飛良泉本舗
今回SAKE PROJECTと連携するお酒は、今後発売予定の通常品とは、火入れのタイミングをずらし、瓶内でより長く発酵を促してみようと思います。発酵が長くなることで、糖は少なくなっていきます。極端に甘さがなくなるということはないと思いますが、通常品よりも甘さをおさえた味わいにします。このスパークリングに関しては、普段はあまり日本酒を飲まない、という方にも楽しんで飲んでいただけるお酒になるのではと期待しています。
地元秋田のお米「美郷錦(みさとにしき)」で醸したお酒:
秋田県の酒米で「美郷錦」というお米があります。お米由来のビターな苦みが心地よく、且つキレイに味わいが伸びる、上品な余韻を出すことができるお米です。当蔵は基本的に「山田錦」、「秋田酒こまち」、「美山錦」の三種のお米を使って酒造りをしていますが、この企画を通して、「美郷錦」を使用したお酒にチャレンジします。

出典:株式会社飛良泉本舗
当然のことながら、お酒の原料である酒米は、お酒の味わいに影響を与える要素のうちの一つです。飛良泉の山廃づくりで「美郷錦」とどのような化学反応をするか楽しみです。使った事がないお米のため、今の段階で明確な味のイメージはできませんが、「美郷錦」特有の上品な味わいを、山廃ならではの味のふくらみと余韻を用いて表現していきたいと考えています。
飛良泉が定義する、飛良泉的「辛口」酒:
「辛口」という表現はお酒業界でよく使われ、一般的にもよく浸透した言葉ですが、正直私も含めて、業界関係者で「辛口」という表現は非常に難解な表現です。イベント等に出店をさせて頂くと、「辛口」のお酒を求められる方は多いのですが、日本酒度の数値上「辛口」のお酒をご提供しても、お客様の反応はまちまちです。お客様が求めている「辛口」とは何か、「辛口」という表現があいまいで、共通理解として成り立っていないのではないかと考えています。

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個人的に「辛口」を整理する際に分類しているのが、下記のイメージです。(※あくまで私個人の見解です。)
A:辛口 = とにかく「美味しい酒」がイコール辛口の酒
B:辛口 = 味のピークから消えるまでの時間が短い(余韻が短い)「キレ」がある酒
C:辛口 = そもそもの味が少なめ、「水」のような酒
D:辛口 = 甘さがおさえられた「ドライ」な酒
E:辛口 = 昔ながらの「クラシック」なタイプの酒
A~Eは酒質として重複する部分もあるのですが、お客様が希望される「辛口」は、だいたい上記のどれか、もしくはA&B&Eのように組み合わせて考えられているのではないでしょうか。最終的にA~Eどのタイプになるかわかりませんが、今回のチャレンジをきっかけとして飛良泉が考える「辛口」とは何なのか、定義していこうと考えています。

出典:株式会社飛良泉本舗
今のところ想定しているのが、口に入れた時にマスカットを思わせるような爽やかな香りが広がり、徐々に米の旨味、味わいが膨らみ、余韻が伸びながら酸味で後味がキリっと引き締まるお酒を考えています。酵母由来の香り、米由来の味の膨らみ、そして余韻の伸びと後味のキレを両立させ、最適なバランスを導いていきます。

出典:株式会社飛良泉本舗
飛良泉の「辛口」はもっと試行錯誤しなければいけない領域なので、この企画で完成ではなく、その第一歩となるイメージです。是非「辛口」が好きという方々はご注目いただき、忌憚ないご意見を頂きたいです。
※本ページでの販売は終了しました。
引き続き、SHUGOアプリ・STOREE SAISON(ストーリー セゾン)での販売を行って参ります。(7月以降を予定)
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